
近藤史恵『マカロンはマカロン』
『タルト・タタンの夢』『ヴァン・ショーをあなたに』に続いて8年ぶりの新作。 ビストロ<パ・マル>のお客様が連れてくる謎を(主に)三舟シェフが解く日常の謎系ミステリ。 240ページ弱で8話と、短編のなかでも短めな話の詰め合…

近藤史恵『スティグマータ』
『サクリファイス』シリーズ最新作。 出版間隔は空くが息の長いシリーズである。 主人公の異なる『キアズマ』を入れると5作目。 本作の主人公もフランスのチームに所属する白石誓。 30を過ぎ、選手としてのピークが終わろうとして…

三崎亜記『ニセモノの妻』
久しぶりに新刊が出た気がする三崎亜記。 最近好きな作家の刊行ペースが落ちている気がする、悲しい。 今回は「夫婦」の関係が中心となっている短編集。 4つの話に繋がりはないいが、いつも通り、「現実のようだがちょっとおかしい世…

プラハ&ドイツ旅行記2016/2日目:プラハ観光(4)聖ヴィート大聖堂見学
これまでの旅程はこちらから。 1日目:羽田〜ミュンヘン〜プラハ移動日 2日目(1):早朝のカレル橋へ 2日目(2):プラハ城へ 2日目(3):ストラホフ修道院 ストラホフ修道院を後にして、プラハ城へ。 交代…

プラハ&ドイツ旅行記2016/2日目:プラハ観光(3)ストラホフ修道院を訪ねて
これまでの旅程はこちらから。 1日目:羽田〜ミュンヘン〜プラハ移動日 2日目(1):早朝のカレル橋へ 2日目(2):プラハ城へ 「城下町」の散策 聖ヴィート大聖堂が12時からしか入れないということで、時間を…

髙田郁『あきない世傳 金と銀2』
『みをつくし料理帖』終了後の新シリーズ2作目。 呉服屋の女衆となった幸が放蕩三昧の四代目の後添えになるように仕向けられるところで終わった前巻。 一生鍋の底を磨く下働きで終わるか、意に沿わぬ結婚とはいえ呉服屋の「ご寮さん」…

井上荒野『ほろびぬ姫』
両親を事故で亡くした直後に出会った美術教師と親しくなり、19歳で結婚した主人公のみさき。 4年間の結婚生活は穏やかなものだったが、ある日、夫が行方知れずだった双子の弟を連れて帰ってくる。 外見はそっくりな夫と弟に戸惑うみ…

吉田修一『橋を渡る』
吉田修一らしい群像小説。 20代〜30代前半の主要人物が多いイメージだったけど今回は少し年齢高めの設定。 2014年の東京で暮らす3人(3家族)の日々が綴られる。 回りくどいというか、世界を立ち上がらせるためにどうでもい…

真保裕一『赤毛のアンナ』
久しぶりに真保裕一。 犯罪者を描くことは多いものの女性というのはほとんどないのでは。 そしてクライムミステリーというよりは人情モノである。 あらすじにある、青春サスペンスともまた違う気もするが。 タイトルにもなっている「…

砂田麻美『一瞬の雲の切れ間に』
小学生の男の子が死亡した交通事故をきっかけとして人生が変わってしまった人々の連作短編集。 苦しみからの再生というありがちなパターンだが、春に読むには前向きな気持ちになれる爽やかな物語である。 出版社の派遣OLは、職場の編…