
スティーヴン・ストロガッツ『ふたりの微積分――数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと』
微積分とは、未来を予言し過去を再現するものらしい。 無限に短い時間について考えるらしい。 熱い。 数学で一桁点数を取った私に理解できるだろうかというのが懸念されるけれど。 ふと、 昔ラジオから流れてきた 「…

穂村弘『短歌ください』
ヴィンチ連載の短歌コーナーをまとめた一冊。 毎回のお題と自由テーマの2本立てで、穂村弘が投稿作品を紹介していく。 それぞれの短歌のレベルも高く(素人感覚)、ほむほむの寸評も面白い。 最初と最後のテーマについ…

西川美和 『映画にまつわるXについて』
映画監督西川美和のエッセイ集。 10数ページ程度の連載をまとめたもの、数ページの軽い文章、 『ゆれる』にまつわるもの、その他監督業のことの4部構成になっている。 視点が深く鋭く、当然感性細やかなのが存分に溢れ出ているもの…

近藤史恵 『キアズマ』
サクリファイスシリーズ新作ではあるものの、舞台を大学の自転車部に一新。 偶然の出会いから自転車部に入部し魅せられて行く、 ある意味読者としてもゼロスタートとなるお話。 競技の話もこれまでよりは軽め。 過去三作はミステリと…

山田詠美『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』
子連れ再婚で新しく家族になった澄川家は完璧に整った幸福な家庭だったけれど、長男の澄生が雷に打たれ17歳で死んでしまってから状況は一変する。 アルコール中毒になった母親をはじめ、家族は全員喪失感を抱えたまま生きていく。 長…