長野まゆみ『白いひつじ』

長野まゆみ『白いひつじ』

大学進学のため上京することになった鳥貝は、入学式が二週間後に迫る中安い部屋を探しまわっていたがうまくいかない。
困っていたところに条件の良すぎる寮を紹介され、疑心暗鬼になりながらも入寮面接を受ける。

主人公が寮の住人である変人たちに翻弄される物語かと思いきや、本筋は鳥貝の出生の秘密にまつわる話であった。ファンタジーっぽいフワフワした前半から、人間の機微にフォーカスしていく展開は予想外だけれどすんなり受け入れられる。
あらすじを書き出したら単純な話だけれど、登場人物が誰も彼も魅力的。
ピュアな萌えが随所に散りばめられているし。

長野まゆみ作品にしてはとてもわかりやすい物語。いつも通り、ところどころ現実と幻の境界が曖昧な部分もあるけれどストーリー自体が地に足がついているものなので、混乱のまま進む…ということはなかった。
タイトルも可愛らしい印象だが、子供っぽ過ぎない愛らしさを感じる主人公とエピソードだった。

(読了日:14/2/1)

 

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