穂村弘『ラインマーカーズ』

穂村弘『ラインマーカーズ』

手紙魔マミの連作が収録された歌集。
理不尽で退廃的、身も蓋もないような歌が好きだ。
短歌の含むストーリーとしては抽象的なモノが多い印象。
ラヴ・ハイウェイの章は、
「NASAに行ってきます」
というメッセージをシーツに残して残し姿を消した恋人を追いかけるストーリー。
この理解を超えた展開の中の現実感がいい感じなのである。
==========
校庭の地ならし用のローラーに座れば世界中が夕焼け
夕映えの砂場に埋めた最愛の僕のロボットの両手はドリル
月光よ 明智に化けて微笑めば明智夫人が微笑み返す
こんなめにきみを会わせる人間は、ぼくのほかにはありましないよ
憧れで胸が張り裂けそうなのにきちんととまるブラウスの釦
襟巻きがいいか帽子にするべきか迷っているの、死んだ天使を
冷蔵庫が息づく夜にお互いの本のページがめくられる音

(読了日:14/2/24)

 

Pocket