長野まゆみ『聖月夜』

長野まゆみ『聖月夜』

『星降る夜のクリスマス』
クリスマスの夜、デパートで買い物中の母を待つミラン少年が、不思議な雰囲気のフラノと共に遊園地に行くお話。
フラノは天使と住んでいるようだ。
挿絵ひとつもないのに、絵本を読んでいるような、キラキラふわふわした物語だった。

『仔犬の気持ち』
こちらもミランが主人公。
クリスマスの出会いから時間をさかのぼり、愛犬タッシュが家に来てからの日々を描く。
お兄ちゃんとの関係がいい。

『少年アリス 三月うさぎのお茶会へ行く』
少年アリスは読んでない。物語はまんま不思議の国のアリスの焼き直しであった。

『クリスマスの朝に』
唯一女の子が主人公。
子犬のような巨体のうさぎをクリスマス休暇の旅行に連れて行くかどうかのあれこれ。
クリスマスという設定もあるからだろうか、一段と単語の選び方や文章が綺麗。

『紺青の夜天(そら)に、観覧車はイルミネエションを鏤(ちりば)めた蜘蛛の巣をひろげ、気まぐれな少年たちが網にかかるのを待っている』
この美しさ。

(読了日:14/3/22)

長野まゆみ『聖月夜』
出版社: 河出書房新社 (1994/11)

 

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