長野まゆみ『45°』

長野まゆみ『45°』

長野まゆみなのにミステリである。しかも登場人物の年齢が高い。
その時点で意外性の塊である。

9つの短編だが、それぞれ読み方も判然としないタイトルがついている時点で不可思議な雰囲気が漂っている。
どれも日常から少しズレた異世界を垣間見る感じ。
どうも不条理であったり、難しすぎて意味がわからない話も多々あった。

喫茶店で、主人公がふたり連れの不思議な会話を盗み聞きする『45°』が展開も結末も面白かった。

『×』の死んだ人間の体を魂が渡り歩くような題材は『あめふらし』に通じるものがある。

『2°』はオチがさっぱりわからなかった。じっくり読み返してみたがどういうことなのかわからない。

長野まゆみテイストはいたるところに色濃く出ているが、ファンにもまったく彼女を知らない人にもチャレンジングな一冊に感じた。
独特の世界で癖になる登場人物たち。
噛むほどに味は出る、だが噛み続けようと思うかは読み手次第。
感想はまっぷたつだろう。
私は割と好きだった。

(読了日:14/3/29)

長野まゆみ『45°』
出版社: 講談社 (2013/3/29)

 

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