松野志保『モイラの裔―松野志保歌集』

松野志保『モイラの裔―松野志保歌集』

耽美な歌集。
どっぷりこういう世界に浸る作品。

こんな雨の季節にはぴったりかも。

20歳前後の頃詠まれた歌が多いようだが、初々しい半透明な部分や潔癖さを感じる世界観である。
短歌の評価はよくわからないけれど思いを言葉に乗せるという点ではこれも短く濃厚な物語である。

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ひとりでも生きていけるという口がふたつどちらも口笛は下手
華やかな破滅は来ない酸性雨にゆっくりと溶けていく東京
「生まれないほうが幸せ」ブランチは朱鷺の卵を半熟にして
惜しむのはぼくのみの冬が去りそして花咲くところ地はすべて墓

(読了日:14/6/11)

松野志保『モイラの裔―松野志保歌集』
出版社: 洋々社 (2002/11)

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