東野圭吾『虚像の道化師 ガリレオ 7』

東野圭吾『虚像の道化師 ガリレオ 7』

シリーズ第7弾。
早い。

今回は短編集。

『幻惑す』
新興(新新興)宗教の教祖の念力により教団幹部が転落死した事件の謎を暴く。
ネタがネタだけに最初から最後まで胡散臭い感じだったが、
犯人のひねりがよかった。
ただ短編でやるには取って付けた感が。

『心聴る』
加害的な幻聴に襲われ草薙刑事を刺した会社員。
幻聴に悩むOL。
不倫相手が自殺し、自身も唐突に飛び降り自殺した部長。
幻聴の原因とその意図を湯川先生が暴く。
草薙刑事の同期の存在感もあり、職場での自尊心や自己評価とかライバル意識というテーマの方が印象に強い。
トリックはすぐわかるけど、相変わらず原理はよくわからん。
『偽装う』
山奥の別荘で殺害された夫婦。
偶然近くに居合わせた湯川草薙コンビが真相を暴く。
ネタがチープ。
『演技る』
劇団演出家が殺害され、元恋人の女優が容疑者として浮かび上がる。
一筋縄ではいかないだろうなと思っていたけれど、
その通りのオチだった。
ただキモの仕掛けが古畑で見たぞ、というヤツだったので、感動はいまいち。

このシリーズは『容疑者xの献身』が出るまで評価が高くなかった。
私も小難しい科学と理屈を捏ね回して、いまいち魅力に感じなかった。
だからこのシリーズを牽引しているのは湯川先生と草薙刑事(と内海)のキャラクタということになる。
その点で本作はキャラたちの取り立てて興味深いエピソードもない。何より湯川先生の影が薄かった。

容疑者x以前が好きな人は好み、そのとき「ふーん」と思った人には、ごくごく平凡な一冊。

(読了日:12/8/11)

東野圭吾『虚像の道化師 ガリレオ 7』
出版社: 文藝春秋 (2012/8/10)

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