田丸公美子『シモネッタの男と女』

田丸公美子『シモネッタの男と女』

著者が出会った6人の人々のお話。
イタリア人、イタリア人よりイタリア男子たる日本人、そして親友米原麻里氏。

人生は若く輝いているときが永遠に続くわけではなく、老いていくし、健康も損なう。
また、今どんなに幸せであっても、それは永遠ではないのだと感じさせられる、ひりひりする話ばかりだった。
今は経済的に豊かだったり、仕事があったり、愛に満たされていたとしても10年後20年後どうなるかわからない。
自分に非はなくても、不条理に幸せが奪われることだってある。
けどだからこそ、今生きている時間は将来振り返ったとき、その日に繋がる過去であることを自覚しなければいけないなと思った。

読み取るものの多い一冊である。
そして最終章の追悼記は涙なくしては読めない。
私が読んだ中で、こんなにも喪失感、無念が溢れ出す文章はないかもしれないと思うほど、
米原さんを亡くした悲しみが伝わってくる。

田丸さんの本を読むと、人生は出会うの人の数だけ深く、色鮮やかになるんだと感じる。

(読了日:11/11/19)

田丸公美子『シモネッタの男と女』
出版社: 文藝春秋 (2010/08)

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