吉田篤弘『フィンガーボウルの話のつづき』

吉田篤弘『フィンガーボウルの話のつづき』

クラフト・エヴィング商會のエッセンスが詰まった連作短編集。

世界の果てにある食堂についての物語を書きたいと思っているのに、その糸口がつかめずスランプ状態の作家。
ジュールズ・バーンが構想した連作『フィンガーボウルの話のつづき』というタイトルと、ビートルズのホワイト・アルバムにインスピレーションを受け、ホワイト・アルバムをキーとした短編を書きはじめる。
彼自身の話と、彼が書いた短篇で構成された一冊となっている。
長さもテーマも時代背景もそれぞれ。
全体にパラパラ感はあるものの、しっとり雰囲気のある物語の詰め合わせとなっている。
『ジョン・レノンを待たせた男』、『閑人カフェ』で語られるレインコートの博物館、余白に詩を書く少年『白鯨詩人』、レインコート博物館で働くRW、MU、FBの物語『小さなFB』が特に気に入った。

本書は吉田篤弘氏が初めて刊行した小説だそう。
この物語の主人公は吉田君である。

(読了日:14/7/24)

クラフト・エヴィング商會『フィンガーボウルの話のつづき』
出版社: 新潮社 (2001/09)

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