江國香織『間宮兄弟』

江國香織『間宮兄弟』

huluで映画版を観た。小説を読む前にキャスティングは知っていたので、兄弟のビジュアルはこのイメージ。
小説読み返してみようかな。
間宮兄弟

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酒造メーカーに勤める兄と、小学校で用務員をしている弟、独自の哲学と価値観を持ち女にもてない間宮兄弟の物語。

間宮兄弟の人とナリは興味深く、一緒にいて楽しいんだろうけれどまったく異性へのアピール力がないのが痛々しい。
兄明信が気に入っているビデオ屋のアルバイトと、弟徹信の同僚女性の4人でカレーパーティーをしたことで、間宮兄弟の生活に若干の彩りが出てくる。

兄は先輩の離婚騒ぎの仲裁に立ったり、その妻に弟が恋をしたりしながら、
どちらかといえば穏やかに物語りは進んでいく。

終わってみれば間宮兄弟はやはり男としてモテず、ままならない人生であるというだけの物語だった。

江國さんの話で男の主人公とは珍しい気がするけれど相変わらず繊細で新しい描写が魅力的。
間宮兄弟の住む世界の描き方もよかったけれど、なにより人間性は良いと認めつつも、男としてキモイ間宮兄弟を疎ましく思う女性達の描写がすごくリアルだと思う。
報われない。

ただメインの登場人物たちが、間宮兄弟も含めいまいち共感できずに読んでてイライラすることが多かった。
特に不倫した夫に離婚を突きつけられ、愛はないのに復讐のため離婚を受け入れない沙織が、可哀想なんだけどみじめ。
そして徹信が沙織に寄せる思いはまんまストーカーで、終盤にこんなキャラになるとは思いもしなかった。

間宮兄弟はこの先も変わらず、女にモテず、仲良く二人の世界で生きていくのだろう。

間宮兄弟が勇気を出しても世界は変わらなかった。でもだいたいそんなものだよね、と読み終わって思う。

(2012/5/14)

江國香織『間宮兄弟』
出版社: 小学館 (2007/11/6)

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