櫛木理宇『赤と白』

櫛木理宇『赤と白』

新潟の雪深い町を舞台にしたサスペンス・ミステリー。
ホラーテイストだけれどそこまで恐ろしさは感じない。

冒頭にはある停電の夜、火災により民家が全焼したというニュース記事が紹介される。
最初はその家に住む母子だと思われていたが、若い遺体は長女のものではないと判明、長女は別の場所で保護された。

本編はその事件から時間を遡ってはじまる。
全焼した民家に住む小柚子は、母子家庭で育ち、母との折り合いがあまりよくない。
母のボーイフレンドが苦手で、過去のトラウマから恋愛関係もうまく行っていない。
弥子は精神病質の母に支配され、家事やひきこもりの叔父の面倒を見させられている。

表紙からも冒頭の記事の遺体は弥子なのではないか、と想像する。
そして家庭に問題を抱えながらも、ごく普通の女子高生だったふたりが事件に巻き込まれたのかを想像しながら読み進めていく。

遠くに引っ越していった幼なじみがふたりの前に現れたことで平穏な学校生活は崩れていく。

テンポよく、先を読み進めたくなる構成なのだがその分重厚さが足りなくてさらっと終わってしまった。
崩壊の引き金を引く少女の精神状態と行動について唐突感があって、その違和感が消えなかった。

文章もきちんとしていてストーリーも無駄なく、ストレスなく読めるから軽く楽しく読むのはちょうどいいのでは。

(読了日:14/10/4)

櫛木理宇『赤と白』
出版社: 集英社 (2013/3/5)

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