近藤史恵『岩窟姫』

近藤史恵『岩窟姫』

人気アイドル逸見沙霧がビルから飛び降り自殺を図った。
沙霧と親しかった同じ事務所のグラビアタレント、蓮美(れみ)は何者かの策略により、沙霧をいじめて自殺に追い込んだという激しいバッシングを受ける。
数か月引きこもり、人相も変わるほどに太ってしまった蓮美だが、自分を罠に嵌めた者の正体と意図を明らかにするために動き始める。

誰にも言わずに引っ越した直後にマンションを放火されるなど、蓮美の周囲にも不穏な出来事が起こる中、引退した事務所の後輩の協力を得ながら、沙霧の死の真相を探る。

前半の緊張感の割に、蓮美は大きな危険に遭うわけでもなく、とんでもない黒幕が出てくるわけ無く、あっさり終わってしまい肩すかし感。
沙霧の死をめぐるあれこれ以外にも、女同士の妬みや駆け引きなど、沙霧が死ぬ前からの芸能界のドロドロが描かれたりもするが、蓮美の想像だったり、言葉だけで説明されるものなので説明的で取ってつけた感が否めない。そこが真相に深味を持たせる仕掛けだとわかるものの、駆け足で終わりすぎた。
最後にどんでん返しが用意されているのだが、うーん、これだと結局蓮美の探偵ごっこは何だったの、という気がしないでもない。

面白くない……ということはないけれど、あまりに薄味である。最も盛り上がる部分がばっさりない感じ。
起承転結の転がなかった。

(読了日:16/1/17)

近藤史恵『岩窟姫』
出版社: 徳間書店 (2015/4/9)

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