髙田郁『あきない世傳 金と銀 源流篇』

髙田郁『あきない世傳 金と銀 源流篇』

みをつくし料理帖が終了して寂しい気持ちだったけれど、新シリーズの刊行開始。
今回の舞台は享保年代の大阪。
みをつくし料理帖同様に江戸時代にたくましく生きる少女の物語である。

摂津の津門村に学者の子として生を受けた幸(さち)。
学者である父の私塾で学問に触れ興味を示すが、女には学は不要という考えの両親へ不満を持っている。
唯一年の離れた秀才の兄は幸に理解を示してくれていた。

裕福ではないが平穏に過ごしていたが、享保の大飢饉を発端とする厳しい生活で兄、父が亡くなり、幸、母、幼い妹の3人だけが残された。

9歳になった幸は天満の呉服屋・五鈴屋に奉公へ出ることになる。

女衆として煮炊きや掃除をする一生を送る人生が始まったはずだが、やがて番頭の治兵衛に利発さと真面目さを認められて商売のいろはを学ぶことになる。

物語は序章、というところで、まだこれから、というところで次巻へ続く。
みをつくし料理帖は1冊4話、それぞれの物語にオチがついていたのでテンポも良かったため、
そういう意味ではこの1冊では物足りないのだが、ひとりの少女が商いの道へ歩み出す物語の始まりを感じた。

融通が利かないとも言える真面目な幸の今後がどう展開するのか楽しみである。

出版社: 角川春樹事務所 (2016/2/12)

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