朝倉かすみ『植物たち』

朝倉かすみ『植物たち』

短編集。
タイトルにあるように、各話の登場人物を植物に喩えて冒頭に記されている。
演出としては面白いけどそれが物語や全体に影響を与えている感じはしないので、装飾的なパーツでしかない。

朝倉かすみ作品の中では毛色の違う感じ。

『にくらしいったらありゃしない』
おばあちゃんと呼ばれる年令になるまで結婚もせず、(たぶん)男性経験もない主人公。
偶然出会った青年を下宿させることになり人生に張り合いが出てくる。
読み進めるうちに色々と含みを感じさせる、朝倉かすみらしい不穏さのただよう作品。

『どうしたの?』『どうもしない』
この2話だけ連作。
新聞配達員として50年働き、終の棲家として不良少女たちがたむろする公園の近くの一軒家を購入した主人公。
ひょんなことから家出したばかりの少女を自宅一階に住まわせることになり、次々に住む場所のない少女たちが居候を始める。

『いろんなわたし』
車にはねられ植物状態となった娘に語りかける母親の話。

『村娘をひとり』
朝倉かすみのこれまでの作品とくらべても異色の 一作。
変質的だったり心が欠落している主人公は多いのだが、この作品の主人公2人は完全に狂っている。
保育士の男と助産師の女は自分たちのおどろおどろしい欲望を現実にするために手を組み、少女誘拐を画策する。

『乙女の花束』
数ページの短い話をひとまとめに。まさに花束。

『趣味は園芸』
主人公が花を育てる話。

ところで、朝倉かすみの近影がすっかりおばあちゃんになったことにびっくり、、、。

http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/books_visited/2-0045514.html?page=2016-02-14

 

(読了日:16/2/26)

朝倉かすみ『植物たち』
出版社: 徳間書店 (2015/12/8)

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