プラハ&ドイツ旅行記2016/3日目:プラハ観光(9)共産主義博物館

プラハ&ドイツ旅行記2016/3日目:プラハ観光(9)共産主義博物館

これまでの旅程はこちらから。
1日目
:羽田〜ミュンヘン〜プラハ移動日
2日目(1):早朝のカレル橋へ
2日目(2):プラハ城へ
2日目(3):ストラホフ修道院
2日目(4):聖ヴィート大聖堂
2日目(5):プラハ旧市街地
2日目(6):市街地散策
2日目(7):ペトシーン展望台
2日目(8):プラハの夜

 

プラハで迎える2度目の朝はお別れの日

あっという間にプラハを発つ日が来た。
ブレスデンへの電車は16時。
見どころが多すぎて足りないかな、と思ったけれど前日頑張ったおかげで2日目は余裕のある日程に。
昨日見逃したところをゆっくりめぐる。

出発の朝、初めてホストと対面。
初めてのAirbnbだったので、これがスタンダードなのかどうかはわからないけど、悪くない体験だった。
ただ、一人暮らしが長い身としてはホテルのようなドライな気軽さの方が好きかなという感想。
シェアハウスとかが好きな人にはいいのかしら?
でも、今回のホストはずっと出掛けていたので、交流目的にしたら物足りないのかな。

などなど、いろいろ考える機会にもなった。
また使ってみたいと思う。

ただ唯一の心残りは、このエレベータに乗らなかったこと。
ドアはない。止まるボタンもない。
私はこれが貨物用だと思っていたら、人間が乗っていた……。
降りられないか、挟まれる未来しか見えなかった。
誰か一緒にいればチャレンジしたかもしれない。
当然ながら安全性に大きな課題があるということで、どんどん撤去されているとのこと。
次にこれに出会うことがあれば、チャレンジしてみようと思う。

Airbnbの部屋がある建物は観光名所でもあるらしく、この逆さ吊りの馬と騎士?は有名らしい。
朝から観光客がいた。

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プラハ中央駅へ 敵は石畳……。

荷物を預けるためひとまず駅へ向かう。
ドイツもそうだったけど、日本で言うような「東京駅」的な駅は「中央駅」とつく模様。
プラハ中央駅までは地下鉄を乗り継いで15分ほど。
歩いても変わらないくらいなのだが、スーツケースがあるので厳しい。
ヨーロッパの大きな問題はこの石畳……靴もボロボロになるし体にも負荷がかかる。
スーツケースがコロコロ出来ないのが一番厄介だった。

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どの道もこんな感じ

プラハ中央駅はユーロスターなどの長距離特急も止まる大きな駅。
都内の主要駅よりは当然劣るが、カフェや専門店、スーパーや両替所など必要な施設は揃っている。
昨夜調べていた有人の手荷物預かり所を利用。
最近はググったら日本人の方が写真付きでブログを書いてくれているのでとっても便利。

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2日目最初の目的地は実は宿から歩いて3分ほどのところ。
というわけで来た道を戻る。
昨日から蓄積された疲れと、いざというときのために時間を節約目的で電車移動をメインにする。
駅で見つけた路線図。
うーん、わからん。
東京メトロ的に路線が色分けされているので、それを目印に進む。

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プラハの地下鉄は大江戸線並みに深い。
しかもエスカレーターがけっこう早いの少し恐怖である。

 

共産主義に触れる

2日目に行きたいところは「共産主義博物館」で決定している。
チェコはほんの20数年前は共産主義だった国だ。
街角にもその名残を感じる。

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レストランの装画

”東側”であったチェコはかの有名な「ビロード革命」から民主化を遂げた。
調べれば良い変化だけではないのだろうが(ひとつの体制が崩れたら必ず大きな損をする人もいるわけだし)、みなが平等という建前の上で、そのぶん人が軽く扱われがちな世界よりも私は共感できる。

共産主義の失敗は歴史が証明していると思っているのだが、
最近の貧困の問題や低賃金重労働などを見ると、共産主義的な価値観に転んでしまうのではないか?という違和感を感じる。
自分の努力じゃどうしようもない条件で、恵まれない人が人間らしい生活を送ることは社会の解決すべき問題かもしれないが、どうも「低い方に合わせよう」と思えてならない。

それは優しさがないということなのか?
自分さえ良ければいいのか?
問われると難しいけれど、ある程度努力と我慢の上で、自分で生きるチカラを持っている身としては、
「なにもしないほうが得していいの?それならみんな頑張らなくなるよね?」
と思う気持ちも無きにしもあらず。
貧しいことと怠惰なことがイコールな人とそうでない人の切り分けが納得出来ないのかもしれない。

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共産主義博物館

事前に「場所がわかりにくい」という口コミをみたのだが、10分以上迷ってしまった。
googleマップが示した場所の建物にそれらしきものがない……。
口コミに「マクドナルドの横から入る」とあったので、マクドナルドの周囲をうろつくがそれらしき階段はない。

前にも書いた通り、プラハの建物は巨大で複雑に繋がっている。
ビル名もどこにあるか不明。
建物が完全に見えないのに、変なところに入り口や奥に通じる道があることも。
諦めるかあ、と思いつつも、
地図から外れた建物の奥に進み通路を抜けると、なんともう一つマクドナルドがあった……。

確かにマクドナルドの奥に博物館へ通じる階段が。
資本主義の象徴のようなファストフード店が目印というのも皮肉なものである。

博物館とはいえ、建物の2階のワンフロアというこじんまりした規模。
プラハは月曜日の午前だが、人の入りはそこそこ、常時20人くらいはいただろうか。
年齢・人種も様々。若い人からおじさんまで。
入場料は600円くらい。
おみやげも結構売っていて、どれもシュールで可愛かった(ポスターにも出ているマトリョーシカ押し)。

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小学校の教室

チェコの共産主義時代の学校、商店、軍などの資料、再現など。
説明文はチェコ語のほか英語、フランス語などだから理解は乏しい……。
スペースは狭いがぎゅっと凝縮して展示してあるので、ひとつひとつ読んでいくと割と時間がかかるかも。

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ショーケースがガラガラの商店

私の乏しい英語力ではニュアンスまで正確に捉えられないが、批判的な表現で説明されていたと思う。
今更共産主義称揚もないだろうが、国の全コントロールによって小さな社会を安定させるという考え方は情勢が不安定な世界になればまた起こるだろう。

ちょうどイギリスEU離脱の直後だったので、国家とは、ということを考えていた。

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個人的にとても好きだったのは軍のお偉いさんのお部屋の再現。
こういう日常を切り取ったような展示はとても好み。

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今にも誰かが戻ってきそうな。
時代は変わっても当時は現在と同じように時間が流れていたことを思う。

この博物館で、共産主義の解説ともうひとつ大きな軸が「ビロード革命」である。

プラハの春が失敗に終わり社会主義国家として20年以上。
ハンガリーでの革命成功、そしてベルリンの壁が崩壊し、チェコに再び民主化の波が来るのは必然だったのだろう。

小さな部屋ではそのドキュメンタリーが上映されていた。
チェコ語に英語字幕ということで理解するのはハードだが、
今は平和に観光客で溢れたヴァーツラフ広場で軍・警察と民間人が向き合い、殴り殴られしている姿は胸が痛くなる。

しかも、この時私はもう生まれていて、阿蘇の田舎町でのびのび育っていた。
そんな遠い昔のことではない。
私がこうして何の恐れも不安もなくプラハの街を満喫できているのも、この映像に映っている人たちの大きな勇気と犠牲の上に築かれたものだ。
もちろん「悪者」と取られがちな当時の体制派の人たちもそこにいる理由があったはずだ。
このように社会が分裂して戦い合うことが同じ国、民族の間で起こるのはとても悲しい。

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最後に流れるフォークソングだろうか、「デクイー(チェコ語でありがとう)」と繰り返される歌声の哀愁に涙がにじむ。

今世界に起こっていることは歴史の結果である。
それを出来る限り知りたいと思ったし、そのために歴史や文化を学び、何より英語も勉強しなきゃな、と気持ちを新たにした。

そして、プラハに行くならやっぱり米原万里の『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を読まねばと思う。
だいぶん前に読んだが、きっとプラハを訪れた後は違う感情が湧き上がるだろう。

つづく

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