プラハ&ドイツ旅行記2016/4日目:ドイツ連邦軍軍事史博物館(2)

プラハ&ドイツ旅行記2016/4日目:ドイツ連邦軍軍事史博物館(2)

これまでの旅程はこちらから。
1日目
:羽田〜ミュンヘン〜プラハ移動日
2日目(1):早朝のカレル橋へ
2日目(2):プラハ城へ
2日目(3):ストラホフ修道院
2日目(4):聖ヴィート大聖堂
2日目(5):プラハ旧市街地
2日目(6):市街地散策
2日目(7):ペトシーン展望台
2日目(8):プラハの夜
3日目(1):共産主義博物館
3日目(2):カフカ、市民会館&火薬塔
3日目(3):ドレスデンへ列車の旅
3日目(4):ドレスデン旧市街地
4日目(1):ドレスデン新市街地
4日目(2):ドイツ連邦軍軍事史博物館(1)

 

博物館は旧館:年代別と、新館:テーマ別に別れている。
まずは旧館の年代別に辿っていくことに。
1階から上に行くに連れ現代へ進む構成。

好みもあるだろうが、やはり過去から辿ったほうがよいのではないだろうか。
「ドイツ連邦軍」と頭についてはいるが、宗教戦争やナポレオンも出てくるし、ドイツ・ドイツ軍に限らない展示となっている。

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webより(英語版は空っぽ……)

1300年〜1914 年、1914年〜1945年、そして1945年から現在までの区分け。

最初は半分「歴史」の世界なので、展示物は文献や絵画、レプリカなどが多い。
一番資料が多彩で圧巻なのはやはり第一次〜第二次大戦。
無機質な「過去」ではなくて、そこに確かに生きて、戦争により死んでいった人がいることを感じられる展示の数々。
大戦以降は、冷戦や、21世紀に入ってのテロに関する展示物があるのだが、これはあまりに「今」と近くて苦しくなる内容。
私たちはずっと戦い続けていて、人類が死に絶えるまでここの展示物は増え続けるのかと暗澹たる気持ちになってしまう。

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説明はドイツ語と英語

このあたりは世界史にどれくらい明るいかでかなり没入度、感動の度合いが変わってくる。
かつて世界史を選択していたはずだがだいぶ忘れてしまった……。

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展示方法がユニークなのも特徴。
ナポレオンについて特集したこのコーナーは、壁3面にこのようなパネルが入っていって、引き出すと資料と説明が出てくる。
パネルの背に書かれているのはキーワード。年代別に並んでいる。

ただ、この調子で膨大な展示があるので、ひとつひとつ見ていくとどれほど時間がかかるか分かったのもではない。
丸一日使えるならベストだけど、いったん全体を見て気になるのを見に戻るのがよいのではないかと思う。

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船や戦車、飛行機、武器がどんどん進化していくのも興味深い。

目の前に立つと自動で開く。
保護の目的なのか演出家は不明……。
他にもインタラクティブな仕組みが多くあった。

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20世紀になると「コンピュータ」が現れる。
テクノロジーの進化は軍事とは切り離せない。

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様々な展示物で戦争の状況を伝え、意味を補強していく。

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戦禍の中を生きた誰かの靴。
これはかなり来るものがある。

時代が進むに連れてだんだんと戦争の”成果”と犠牲がリアルになっていく。
この戦いの結果が今にどう繋がっているのかがわかってしまう。
基本的にヨーロッパ(とアメリカ)を中心に構成されているので、日本の影はほとんどないのだが、その分、ここに展示されていない「戦争」と、多くの犠牲に思いを馳せることになる。

 

「旧館」部分はちょうど建物に刺さったような鉄の部分があるあたり。

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この辺りは建築見学の気分。
コンクリート打ちっぱなしがとても美しい。

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最上階に行くと、この尖った部分の先端に行くことができる。
高いところ大好きなのでもちろん出る(外にある)。

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足元はスケスケ。
歩くと結構揺れる。
高所恐怖症なら気絶しそう。

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市街地方面

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トンガリの先端

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建物に戻るときはボタンを押してドアを開ける。
開かなかったらと思うとちょっと怖い(おじさんがいるから大丈夫)。

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内側から見るとこんな感じ。

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このフロア、なんだか気持ち悪いなあ、と思っていたら、やはり床が若干傾斜していた。
カメラのレンズ(これしか丸いものがなかった)を転がして確認した

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この建物は壁が傾斜していたり出っ張っていたりで、方向感覚も空間認識も狂う。
そして床が傾斜していてトドメ。
この「目眩」の感覚が、展示物の現実なんだけどフィクションのように思えてしまう揺らぎに相まってとてもよい。
くらくらするけど。

 

新館ではテーマ別の展示。

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新館は巨大な展示物、模型、本や音楽など、年代別よりは体験・体験できる展示が多い。

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動物兵器たち。
原寸大、とてもリアルである。
「戦術」を感じるエリアでもある。

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義肢や、戦争中の医療など、兵士ではない立ち位置からの展示もある。

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5〜6メートル?もっと?ありそうな巨大な展示も。
幾何学的な空間を活用している。

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この黒い物体も側面に展示がある

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戦争に関する音楽が流れているコーナーもある。
目だけでなく、音でも感じる戦争。

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おもちゃの兵隊、武器。

だんだんと自分がどの階にいるのかわからなくなる……。
年代別から進んだはずが、最後に。

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いわゆる「戦後」である1945年から現在も、世界では戦いが続いていることがよくわかる。
ここに来るまでもテロの情報はあちこちから聞こえ、私が訪れた街は幸い標的にはなっていなかったけれど、心の何処かで、何かが起こってもおかしくないという割り切りはあった。

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展示はどれも心に重く響くものがあったが、一番はこれである。
9月11日のことはよく覚えていて、当時は久米宏が司会だった「ニュースステーション」を見ていた。
煙を上げるツインタワーがあり、飛行機の衝突事故かと思っていたところにもう一機が突っ込んだ。

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空港の保安検査場で没収されたものたち。
あの日から世界はぐんと危険になった。
いや、私たちは、いつでも誰かに殺されうるということにみんな気づいてしまった。
それは自然災害や交通事故とはわけが違う。
意志を持って人が人を殺す、自分がその犠牲者になる可能性があるのだ。

ちょうど2001年に、東海岸で働いていたという人に話を聞いたことがある。
ワールドトレードセンターで働く人たちの一部は、フェリーに乗ってマンハッタンに渡っていた。
9月11日からしばらく、フェリー乗り場の駐車場に持ち主を待つ車がずっと、何台も停められたままだったという。
その誰かの車を見て、
「この人たちは死んでしまったんだ」
と思ったという。
この言葉が、私にとって9.11の一番のリアルである。
画面の向こうでビルに突っ込む飛行機と、その人の言葉をたまに思い出す。

しかもこの日の朝に、日本から来たメールで考えていたこととシンクロして、映像を眺めて無性に泣けてきた。

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最後に特別展。
いわゆる「東側」の展示なのだが、近代史に弱い私には非常に難しかった。
理解不足が情けないくらい。
スパイの使った道具や、西側に、あるいは西側から手紙や物をやり取りするための「ぬいぐるみ」などが飾られている。

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面白い仕掛けはこれ。
冷戦時の電話会議を模して、話したい人にダイアルすると電話が繋がる趣向。
なにより久しぶりに「黒電話」を見た。
今の若い子は使えるのだろうか……。

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もっとじっくり見たいところだが、タイムリミット。
思いつきで来て本当によかったなと思った。

つづく

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