山田詠美『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』

山田詠美『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』

子連れ再婚で新しく家族になった澄川家は完璧に整った幸福な家庭だったけれど、長男の澄生が雷に打たれ17歳で死んでしまってから状況は一変する。
アルコール中毒になった母親をはじめ、家族は全員喪失感を抱えたまま生きていく。

長女の真澄は一回り以上年の離れた外国人と交際しているが、
彼の妻は白血病で闘病中。
澄生・真澄と血のつながりのない創太は50代の食堂のおばちゃんと付き合っている。
唯一両親の血を継いだ末っ子の千絵は常に三人死んで欲しい人間をリストアップしている女子大生。

ストーリーをあげるとあっさりしているけれど、
全編に愛するものとその死、という気配が漂っていて、
なんとも言えない息苦しさを感じる。
登場人物の些細な思考に共感することがあり、
色々と思い巡らせられる。

設定と私の予想ほどどろどろした話ではなく、
割りとあっさり進行していった。

オチに少々びっくり。

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