近藤史恵 『キアズマ』

近藤史恵 『キアズマ』

サクリファイスシリーズ新作ではあるものの、舞台を大学の自転車部に一新。
偶然の出会いから自転車部に入部し魅せられて行く、
ある意味読者としてもゼロスタートとなるお話。

競技の話もこれまでよりは軽め。
過去三作はミステリとまではいかないけど人間のブラックな部分を絡めた仕掛けが施してあったけれど、
これはほぼストレートに主人公の克服と成長の物語。

刹那的というかドライな価値観がよく出ていた気がする。
本質的な目標以外は何が起きても瑣末な問題というか、
本当にやりたいことを成し遂げるためならその他の事象なんて取るに足らないことというか。

まだまだ長い物語の登り始め、というところで物足りなさもあるものの、
続編が期待できる一冊でした。

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