野崎まど『know』

野崎まど『know』

珍しくSF。
ラノベよりも骨があるけど、文体が柔らかく物語のエンタメ性も高い。

電子葉と呼ばれる人造の脳葉装着が義務付けられた超情報化社会となった日本が舞台。
個人情報も含むあらゆる情報がオープンになっていて、可能な情報取得量とプライバシー保護レベルが社会での階級により変わってくるという設定。
途中からは半分超能力ぶっとび系になりファンタジーっぽくなる。
少々小難しい設定もあったが、物語がわかりやすいので多少読み飛ばしても問題ないというところがよかった。

情報庁の官僚であり自身も情報処理のエキスパートである御野が主人公。
中学時代に短い期間教えを受けた、電子脳の発明者である天才科学者と再会し、先生からひとりの少女を託される。
御野と先生の再会までと、少女との逃避行で物語が一区切りとなり、長めだがダレることなく読めた。
ラノベとかジュブナイル分野の人は物語運びが上手なだと改めて思う。

終わり方についてはイマイチドラマ性に欠けた気がするものの、
全体として楽しく読める物語だった。
たまにはこういうのもよい。

(読了日:2013/9/21)

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