瀬尾まいこ『優しい音楽』

瀬尾まいこ『優しい音楽』

※辛口注意

 

誰もが持つ弱さやいびつさを受け入れる優しさを描いているのだけど、
同時にそれを受け入れられない人を排除する不寛容さを感じ、
その違和感が強すぎて消化できなかった。

瀬尾さんの他の作品にも言えるけれどなんだか道徳の教科書のような寒さを感じる。
設定も展開もよいし文章も読みやすいといつも思うのだが、毒気がないというか深みがないから言葉が滑っていく。
同時にこういう分かりやすい優しい世界が受けるんだなとも思う。

『優しい音楽』
駅で見ず知らずの女子大生に声をかけられ、交際を始めた主人公。
彼女の死んだ兄と自分の顔が似ているから接近されたと知り、反発しながらも彼女とその両親を受け入れていく。
幸せな結末風に〆ているが、どうも主人公がいいように利用されたような感覚に陥る。
誰か書いていた「文章が稚拙」という感想を見て腑に落ちた。
テーマの深遠さに表現力が足りてなくてもったいないのだ。

『タイムラグ』
不倫相手の子供の世話をする事になったOLの1日。
綺麗に着地しているが感動的な展開であるほど不倫相手はかなり最低な糞野郎である。
結局別れない様子の主人公にも余計に違和感。

『がらくた効果』
なんでも捨てずに溜め込んでしまう癖のある彼女が、ある日ホームレスを拾ってきてしまい、三人で奇妙な年末年始を過ごす。

(読了日:2013/9/23)

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