奥野修司『心にナイフをしのばせて』

奥野修司『心にナイフをしのばせて』

1969年に起こった男子高校生による同級生殺人事件を取り上げたルポルタージュ。
事件の概要、殺人の動機についてではなく、
息子・兄を殺された家族が徐々に崩壊していく様子を描いている。

この手の本で面白い面白くないという表現は適切ではない気がするけれど、
文章として読むには分量が多い気がした。
これが30分程度の映像に収まっていたらもっとすっきり入ってくるかもしれないけれど、全編通してなんとも後ろ向き。

加害者は保護されるのに被害者とその家族は置いてけぼりだ、という主張はよくわかるし、なんだかな、と思いはする。
ただ、殺人を犯しながら弁護士となった加害者への恨み事を連ねた感があり、ちょっと一方的なプロパガンダですね、という印象。

それこそ犯人の更生、被害者保護についてはこの事件の加害者・被害者の人生だけでは語り得ないのではないかと思った。

そしてタイトルと表紙がまったく合っていない、陳腐で下世話過ぎる。

(読了日:13/10/20)

 

 

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