セミナーレポート@星野リゾートビジネスセミナー④

セミナーレポート@星野リゾートビジネスセミナー④

星野リゾートビジネスセミナー:第4回 顧客満足度を科学する
受講日程:2013.11.9   11:00-16:00

 

新卒で入った会社で1年くらいミステリーショッパーの仕事をしていたから、とても興味深いテーマ。

その後も広告プロモーションやソーシャルマーケティングと、会社や部署は変わっても顧客との接点を見つめて来たから、改めて考えなおす機会になった。

担当講師は新卒で星野リゾートに入社されたという社歴12年目の野呂さん。

今回はこれまでと大きく違い倍近い人数がいた。話を聞くこと自体に大きな問題はないものの、グループメンバーと話す機会が殆ど無くて物足りなく感じた。

特にこれまで、他の参加者のバックグラウンドや仕事の話がとても参考になり、学びが一段深くなったから単純に残念。グループワークのアウトプットもイマイチになってしまった。

このあたりは普段研修をやる側だからよい経験になった。いろいろコストと手間を考えると難しいところではある。

 

4時間以上の研修でキモかなと思ったこと

◆調査により何を得たいかを明確にし、次のアクションも見据えて各工程を整える

◆実行するために考える必要があること

  • 調査票の設計
  • コンスタントに回収できる仕組みづくり
  • 確実な集計
  • 低コストで早いデータ入力(人力を極力省く)
  • 個々人で難しいことを考えなくても、内容が把握できる調査結果のアウトプット
  •  結果を共有する仕組み
  • 得られた内容を実行に移し、浸透させる仕組み

 

お客様のために、という意識は強すぎるほど持っていると自分で思っているが、今回はそこに「事業としてどう取り入れるか」という視点も改めて大切だと思い知らされた。

ドラッガー先生が言うように企業の目的は顧客の創造で、そのためには最高のサービスを提供し続ける必要があるけれど、同時に企業が存続するためには収益を上げなくてはいけない。現場レベルでは手段が目的化することは致し方ないと思ってしまう部分もある。

マーケティングとイノベーション、説くのは簡単、実践するのは本当に難しい。今後も考えて行かなくてはと思ふ。

 

======以下メモ=====

◆顧客満足度調査の目的

  •  ユーザーのニーズを把握するため
  • 改善のKPI設定
  •  社内で仕組化し、より満足度を向上させる

 

◆顧客満足度を把握するにはどうするか

 1)星野リゾートにとって顧客満足度とは

リゾート事業:Lender(金融)、Owner(所有者)、Operator(運営)。Developer(開発業者)

“Operator”に専念

収益(所有者)、顧客、環境(地域自然)を考える

 

◇目標値◇

収益:経常利益率20%以上

環境:エコロジカルポイント24.3%以上

顧客満足度2.5ポイント以上

 

2)CSの概要

CS:customer satisfaction 顧客が満足すること

顧客満足度とは:期待に対する充足度

知覚品質マイナス期待値=顧客満足

 

星野リゾートの場合、期待はとても上がる

−メディアでの露出(理念、ポリシー、オリジナルで特別な演出、サービス水準が高い印象)※季節、天候などによる変動もありえる

①   顧客の満足

②   評判UP,リピーター増

・新規顧客が増える

・ファンが増える

・季節や曜日に比較的影響されず来館

③   新規顧客が増える

・集客が安定

・利益の安定

・稼働が安定、獲得コストダウン

④ファンが増える

・  サービス充実のためのコストをかけられる

“顧客は非常に満足”した時にリピートする

 

3)CSを向上されることで得られる効果

①リピーターの獲得コストは新規顧客の5分の1

②リピーターは一回の利用あたり新規顧客の1.5倍多く支払う

+ネットクチコミ、SNS等の評判も影響が大きい

リピーターはコストゼロのためコスト効率が良い

 

4)CS調査の目的

ターゲット顧客をファンにしてリピーターになっていただき、中長期的な収益の安定を図る

…日本人の年回旅行回数は平均2〜3回

=同じ地域・施設をリピートしてもらうのは難易度が高い

各地の星野リゾート施設を周遊していただくことでリピートを促進

 

5)CS調査で気をつける点

①リピート顧客は期待値が上がり続ける可能性がある

(ハイレベルの施設で利用した場合、ランクが下のブランドへ行った場合期待値が下がってしまう可能性がある)

※  星のやに最初に泊まって界へ行くと、求めるクオリティが上がっている状態なのでCS評価が悪くなってしまう→ブランドごとに測定をすることで他の要因を排除する

 

②コンセプトの誤解

・  TVがないことへの不満(ないことを価値として提供したい)

・  メディテーションスパは瞑想することが目的だが、それを理解していない顧客の場合期待はずれとなってしまう

→プロモーションなどを見直す必要もあるかもしれない。

 

CSを見る際のポイント

1)項目を点数化3〜-3点で評価(非常に満足〜非常に不満の7段階)

2)2〜3つの指標設定

TOP BOX:非常に満足したと回答した方の割合

Total Negatice:0(どちらともえいない)〜-3と回答した方の割合

2.5ポイント以上:感動を与える一流のサービス

2.0:目指す基本ライン

1.5未満:至急改善努力が必要

 目標値)顧客満足度2.5pt以上

 

【CS収集の流れ】

チェックアウト時にCSアンケートを依頼→入力→データ反映→CRMKリアルタイム参照→スタッフ共有→法則探し

 

【重要なポイント】

①正確な測定

CS重視を精神論で終わらせず徹底した計測と検証を重視して取り組む

データを正しく取ることが最も大事

①-1 配布率100%

①-2  回収率20〜30%(統計上の確実性担保のため)

→達成するために工夫する

 

②数値化して正しく把握

−データを把握するための仕組みを用意

  • 全施設のCSを一元管理
  • リアルタイム集計可能
  • 全スタッフに閲覧権限有り
  • 全スタッフに対してCSの現状把握・問題点の把握・対策の検討に着手できる基板を整えている

 

③   問題点の発見

ブランディング→CS調査に落とし込みできているかを確認する

…ブランディングにより期待値が上がってしまい結果として満足度を下げることに

→伝えるべきことを誤解なく明示するようにする

 

◆ケーススタディ

界 伊東(温泉旅館)

step1.現状分析をしっかりおこなう(定量)

step2.目標と現状の「ギャップ」を明らかにする(定量)

step3.原因を見極める→「なぜ」を繰り返す(定量・定性)

step4.効果的な打ち手を考える(定性)

step5.打ち手の妥当性を検証

 

①実際のデータを見て、特徴は何かを考える。

★ハードを金をかけて改善するよりソフト部分で底上げを図る

②課題を洗い出す→何を改善すればよくなるか

−お金をかければ改善できるポイントも多いが、収益を圧迫しないで改善できないかを考える

 

◆CS分析の流れ

ネガティブつぶし→課題改善対策→トップボックス追求

①   定量分析で現状を把握

②   定量分析の切り口を変えて仮設を探る

③   仮設にそって定性分析をし課題を抽出

④   打ち手を考え、妥当性・優先順位を検討

⑤   効果測定を前提に打ち手を実行する

⑥   効果測定を元に打ち手の効果検証をおこなう

 

CS分析の10point

①   定量データと定性データは必ずセットで分析する

  • 客観から主観の方向で

②   平均スコアだけでなく分布も必ずセットで扱う

点数はよくても、とても満足している人はいない、など

③   様々な切り口で分析:切り口は大から小へ

  • 滞在全体→大項目→少項目
  • 大きさを考える:1年、四半期、一ヶ月
  • 分けて考える:年代、部屋タイプなど属性
  • 比較して考える:前月比前年比
  • 変化/時系列を考える

④   サンプル数は30位上揃えましょう

  • 切り口を絞る場合30以下にならないように気をつける(ひとつの意見の影響力が大きくなる)

⑤   CSへの影響度を踏まえて考えましょう

  • ネガティブスコアの人のネガティブ意見が最重要…満足度の高い人のネガティブコメントは影響度が低い

⑥   定性情報を定量化してみよう

  • FAを漫然と読んでいるだけではよくわからない。問題点(施設、料金、人など)をカテゴライズして数値化してみる
  • 掛ける労力と費用コストを考え、優先順位をつける

⑦   問題点の優先ポイント

  • CS改善インパクト×発生頻度×解決難易度+施設の事情・コンセプト
  • 簡単ならどんどんやる。難易度が高いものはコストと労力を考える

※ただし安全に関わるものは至急対応する

⑧   ハードの問題はまずソフトでカバーする対策を

  • コストをかければ大抵の問題は解決できるがそれが、現実的にそれはできないのが実情

⑨   よいCSも分析し顧客の満足しているポイントも把握しましょう

⑩   打ち手を打った際には効果測定をしましょう

 

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