角田光代,江國香織,森絵都,井上荒野【チーズと塩と豆と】

角田光代,江國香織,森絵都,井上荒野【チーズと塩と豆と】

ヨーロッパと料理をテーマとしたアンソロジー。

角田光代『神さまの庭』
スペインの田舎町で育った主人公は、頭が固く古い習慣にとらわれている父親を嫌悪していた。
大学生になりバックパッカーとして世界を回る中で、シェフである父の血を引いたのか料理の腕が立つ彼女はやがて難民キャンプで料理を作る活動を始める。
料理を作り生きていく中で、父ともう一度向かい合う。

井上荒野『理由』
30歳年上の高校教師と結婚した主人公は、周囲の反対がありながらも幸せな生活を送っていたが、ある日、夫が脳溢血で倒れ植物状態となってしまう。
山奥での孤独で不自由な生活と、看病で磨り減るように生きる主人公が、愛に身を焦がしていた時間を振り返りつつ今を生きるお話。
とても井上荒野っぽい物語。

森絵都『ブレノワール』
しきたりと因習を重んじる家庭で育った主人公はブルトン人としての生き方を押し付ける母親に反発し、都会へ出て料理人の道を進むことを決意する。
母親の望む通りでなくても立派に生きることができると認めてもらうために働いてきたが、母は死に、結婚して子供を持ってから故郷ブルターニュに戻ってくる。
そこで母の本当の姿と自分への愛情を知るという話。
森絵都だからかもしれないが、児童文学にありそうなテーマだと感じた。ありがちだがじんわり感動してしまう、さすがである。
『神さまの庭』と親子の性別を入れ替えたような設定。

江國香織『アレテージョ』
こちらは『犬とハモニカ』に収録されていて既読。

(読了日:13/11/6)

 

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