長野まゆみ『鳩の栖』

長野まゆみ『鳩の栖』

中学生の男の子が主人公。
彼らの身近に”死”を配することで、ひたむきに生きる価値を浮き立たせる短篇集。
物語にいかにシンクロできるかが満足度を左右しそう。

『鳩の栖』
内気で愚鈍な主人公が、転校を繰り返す中で初めて経験する楽しい学校生活。
それをもたらしてくれた利発で優しい同級生が不治の病に冒されていることを知る。

『夏緑蔭』
自分の出生の秘密を知らされた主人公が、古い記憶を思い出しながら事実を受け止めていく。

『栗樹』
血縁上は兄だが子供のいない伯父の養子となった従兄と主人公の交流。物語の中身がないなと思いつつ読んでいたらラストが急転直下。

『紺碧』
両親が亡く、同居していた姉が死に義兄とふたりきりになった主人公。彼には養子の引き合いが来て、義兄には再婚の世話がはじまる。
ずっと主人公がもじもじしている。

『紺一点』
紺碧の続編。
遠くの町へ引っ越し、義兄とふたり暮らしを続けている主人公は高校生になる。
義兄の再婚騒動やら高校生活やら。
主人公の親友が本当にいい男なのだが、当て馬にしかならない役回りだとひしひし感じて切ない。

(読了日:13/12/6)

 

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