長野まゆみ『雪花草子』

長野まゆみ『雪花草子』

『白薇童子』
自分の産みの母と知らずに、仇討ちのため夜叉の討伐にやってきた少年の話。
女狐や夜叉など、伝奇小説を読んでいる気分。
『鬼茨』
武家の息子と猿楽の舞手、2人の少年が誤って将軍の側室の子・蜜法師の猫を殺してしまう。
残虐で変質的な蜜法師にいたぶられる過程の緊張感と残酷な内容は読むに耐えないけれど先が気になって読み進めてしまう。
冒頭の平和さと終盤の苛酷さの落差がとてつもない。
酔いそうなくらい残酷で耽美な世界。
『螢火夜話』
将軍の妻が双子の男子を産み、跡目争いを避けるため一方の殺害を依頼された侍女だが、殺しきれずに赤子を川に流す。
成長した双子と侍女が再会し、それぞれの運命が変わっていく。
物語の筋としては単純なものの、登場人物全員見事に狂いきっている。
淫靡で残酷な展開だけれど文章と言葉選びが美しすぎるのでするすると読めてしまう。長野まゆみは一体何者?

そして解説もとても秀逸。
禁忌とは何かを考えてみる。

(読了日:13/12/30)

 

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