長野まゆみ『白昼堂々』 

長野まゆみ『白昼堂々』 

要するに耽美系BLなんですが。
筋だけ追うとかなりベタな恋愛ものなんだが、文体ひとつでここまで風情のある文学になるものかと感心する。
しかしこういう禁忌感って現代社会に存在するのだろうか?
純粋無垢な恋愛ってファンタジーなのかなと最近思う。

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舞台は1970年台後半の東京。
主人公の凛一が高等部に進学する直前から一年間のお話。
同性愛者である凛一が、従姉の省子に片思いをしている氷川に恋をするという三角関係の構図。省子は凛一が好きなのである。
そこに凛一の叔父やら従弟やら、省子に横恋慕する氷川の友人やらが出てきて複雑な人間模様。

凛一はすぐ体調を崩し、省子に間違えられるほどの美少年で、頭がいい上に華道の家元だったり、こんな男子高校生いるんかいという設定。
氷川への思いにウジウジしている凛一に次から次に不幸が襲い、恋に苦しむのである。
夏のシーンも出てくるのに、全体的に晩秋の寒々しい寂しい雰囲気が漂っている。

ある意味化石のような恋愛小説だけどしみじみ愛でたくなる不思議。

(読了日:14/1/18)

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