最中の皮

最中の皮

monaka2

歳を取ったのだろうか、ここ数年和菓子を求めてやまない。

生クリームやスポンジが大好きだけれども、しっとりしたこしあんの上品な甘さ、求肥の柔らかさ、揚げまんじゅうのさっくりした皮にも愛しさを感じる。こぶりなのに食べごたえがあるとこも魅力だ。

水菓子や葛の涼やかさ、練り切りなどの季節感ある趣向を凝らした細工も素敵である。

しかしなかなか和菓子屋ののれんをくぐる機会はなく、コンビニのどら焼きが関の山だが、最近客の土産で和菓子、というのが続いている。

和菓子屋の紙袋を見つけると、おっと思う。

先日は小さな紙箱にぎっしり収まった最中をいただいた。

薄い皮にみっしりこしあんが入っている。

神田あたりの名店の最中ということだった。

 

最中の皮というのはとても乾燥している上に口の水分を吸い取ってしまうから、すぐに唇へ張り付く。

ついぺりっと張り付いてしまったままの最中の皮を無理に剥がそうとすると、一緒に唇の皮が剥がれてしまうことも。

しばらく異様に赤い唇をしているから、 鏡を見るたびに「もういい年なんだから口紅のひとつ塗りなさい」と母に小言を言われたことを思い出す。

 

たとえば紅のように鮮やかな赤い口紅を塗って最中を食べたら、齧った縁は赤く縁取られるのだろうか。

乾いた最中の皮に残る赤い跡、それはなんだか色っぽいのではないかと妄想したりする。

 

唇をあてず歯で噛み切ればいいと気づいたけれど、そんな合理的なことを思いつかずに、

口紅がとれてしまうけれど最中を食べたいと思い切り齧ってしまう。

そんな可愛げのある女性が素敵だとつれづれ思う。

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